初開催のCentral European Rally、木曜日はヌービルがリード
ドイツ、チェコ、オーストリアの三カ国を舞台とするセントラル・ヨーロピアン・ラリーは、今シーズン唯一の新規開催WRCイベントであり、ステージの路面はターマック(舗装路)です。ラリーの中心となるサービスパークはドイツ南東部の都市「パッサウ」に置かれ、4日間にわたり競技が行われます。
25日(水)は午後4時過ぎからパッサウの北側エリアでシェイクダウンが行われ、競技は26日(木)からスタート。初日はチェコ国内での戦いとなり、首都プラハの象徴であるプラハ城前での華麗なるセレモニアルスタートに続き、2本のスーパーSSが行なわれました。
競馬場内の道を走行する2.55kmのSS1は、一部が未舗装路のミックスサーフェス・ステージ。続くSS2は、クラトビー村の舗装路を周回する8.92kmのスーパーSS。夕闇が迫り、小雨も降る中で行われました。
チェコの首都プラハには本日未明、数千人の観客が訪れ、FIA世界ラリー選手権のマシンとスター選手たちがチェコ大統領ペトル・パベルの旗振りによって出発するのを見送りました。
ヒュンダイi20 Nを駆るヌーヴィルは、クルクルの競馬場で行われたオープニングステージを3番手で通過したが、クラトビー・サーキットでMスポーツ・フォード・プーマのオット・タナックを1.2秒リード。
Thierry Neuville
「最高のステージではなかった。ウエットとソフト(タイヤ)の中間だったと思うけど、最後の最後でソフトにしたんだ。アンチカット(装置)が光に反射してよく見えなかったけど、クリーンな走りができた」
8度の世界チャンピオンに輝いたセバスチャン・オジェは、「いいフィーリングではなかった」とコメントしていますが、最後の表彰台を確保するには十分でした。チームメイトのカッレ・ロバンペラはコンマ1秒差。
ロバンペラは、同僚のエルフィン・エヴァンスとの戦い方次第では、この週末に2年連続のWRCタイトルを獲得する可能性があります。エバンスはオーバーシュートにより、ロバンペラから4.8秒遅れの総合8位になっています。
テーム・スニネン、勝田貴元、ピエール=ルイ・ルベは2.1秒差で総合5位、6位、7位となり、エサペッカ・ラッピとグレゴワール・ミュンスターがトップ10に入りました。
なおラッピにはSS1でのジャンプスタートによる10秒のペナルティが科されています。ミュンスターはプーマのハンドブレーキの不具合で遅れをとりました。
10月27日(金)のデイ2は、パッサウのサービスパークを起点に、全ステージがチェコの国内で行われます。ミッドデイサービスは設定されず、「プラチャティツェ」に設定されるタイヤフィッティングゾーンを挟んで、3本のステージを各2回走行。6本のステージの合計距離は121.80kmと、最長の一日になります。また、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は524.13kmとなります
1 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) 6m06.9s
2 Ott Tänak/Martin Järveoja (Ford Puma Rally1 HYBRID) +1.2s
3 Sébastien Ogier/Vincent Landais (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.8s
4 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +5.9s
5 Teemu Suninen/Mikko Markkula (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +8.3s
6 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +10.1s
7 Pierre-Louis Loubet/Benjamin Veillas (Ford Puma Rally1 HYBRID) +10.4s
8 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1 HYBRID) +10.7s
9 Esapekka Lappi/Janne Ferm (Hyundai i20 N Rally1 HYBRID) +13.6s
10 Grégoire Munster/Louis Louka (Ford Puma Rally1 HYBRID) +15.0s