M-SPORTがロールケージ専門メーカー「Custom Cages」を買収

1985年に設立された英国のロールケージ専門メーカー「Custom Cages」が、モータースポーツ大手M-Sportの傘下に入ることになりました。この買収により、両社の長年にわたる協力関係がさらに深まり、ラリーカーやレーシングカーの安全部品供給がより安定する見通しです。

Custom Cagesの強みと実績

Custom Cagesは、英国を代表するロールケージキットおよびチューブラ構造の製造企業として知られています。これまでWorld Rally Championship(WRC)、World Touring Car Championship、British Touring Car Championship(BTCC)、Dakar Rallyなど、さまざまなモータースポーツのカテゴリーでプロフェッショナルチームに製品を供給してきました。

特にBTCCでは、グリッドのほぼ全車にロールケージを供給するなど、製造規模と品質の一貫性で高い評価を得ています。同社のカタログには50社以上の自動車メーカーから500モデル以上が揃っており、すべての製品がFIA(国際自動車連盟)およびMSUK(英国モータースポーツ協会)の厳格な規制に適合しています。

また、チューブラーマニピュレーション(パイプ加工)のスペシャリストとしても活躍しており、チューブラーシャシー、サスペンション部品、ハーネスバー、試作部品などの開発・製造を得意としています。

M-Sportとの長年の関係が買収へ

Custom Cagesは2005年以降、M-Sportの公式サプライヤーとして信頼関係を築いてきました。関係の歴史は30年以上に及び、Fiesta ST Group Nプロジェクトから始まり、現在ではFord Raptor T1+を含むM-Sportの生産車両すべてにロールケージ用チューブを提供しています。

今回の買収は、こうした密接な協力関係を正式に強化するものです。M-Sportにとっては重要な安全部品の供給 chainを安定させるだけでなく、GT3、ツーリングカー、ラリーなど世界的なプログラムでの商業的機会の拡大も期待されています。

買収後もCustom Cagesの事業は、Northamptonshire州Daventryの既存工場でこれまで通り継続されます。長年同社を率いてきたRoger Nevitt氏は取締役を退任し、残る取締役のKevin Mawson氏が日々の運営を担います。

Malcolm Wilson OBE(M-Sport会長)

「Custom Cagesは長年にわたりM-Sportの物語の一部でした。この買収は、共有する基準と相互信頼に基づく自然な次のステップです。重要な供給 chainを確保するだけでなく、両社がともに成長するための本当の機会が開けます。」

Kevin Mawson(Custom Cages取締役)

「Rogerの40年以上にわたるリーダーシップに深く感謝しています。私は彼の下で働き、また一緒に働けたことを誇りに思います。これからはM-Sportとともに新たな章を歩み、既存のパートナーシップを基盤に新しい機会を広げていきます。」

Roger Nevitt(Custom Cages退任取締役)

「2027年に導入される新しいWRC規制を前に、バトンを渡すのに良いタイミングだと感じました。Kevinは事業をよく理解しており、M-Sportのサポートにより明るい未来が待っているでしょう。Custom Cagesのチューブ加工とシャシー製造の豊富な経験はM-Sportにとって大きな資産です。両社の成長を楽しみにしています。」

今後の展望

今回の買収により、M-Sportはラリーカー開発における技術力と安定性をさらに高め、Custom Cagesはグローバルなネットワークを活かした事業拡大のチャンスを得ることになります。モータースポーツ業界全体にとっても、安全性と技術革新を推進するポジティブな動きと言えるでしょう。