わずか8.3秒差の激戦!チェコ人ヒーローがホームで初優勝 / ERC Barum Czech Rally Zlín 2026

FIA European Rally Championship(ERC)第5戦、Barum Czech Rally Zlín 2026が終了しました。地元チェコのアダム・ブレジーク/ズデニェク・ベラーク・ジュニア組(Samohýl Škoda Team、Škoda Fabia RS Rally2)が、ホームイベントで初のERC優勝を飾りました。2位に入ったテーム・スニネン/アンッティ・ハーパラ組(The Racing Factory Motorsport Solutions、Škoda Fabia RS Rally2)との差はわずか8.3秒。最終日の激しい攻防の末、地元ヒーローが勝利を掴み取りました。スニネンは選手権首位を25ポイント差に広げ、残り2戦を迎えることになりました。

この大会は、高速アスファルトに森林区間のグラベルが混じる難関ステージが続き、選手たちを大きく苦しめる内容となりました。土曜日のレグ1では地元のヤン・コペツキーが序盤に2位につけ、13回目のズリーン優勝も視野に入る位置にいました。しかしSS6で石がリムに入り込み、リムが破損してブレーキパイプも損傷する大トラブルに見舞われ、リタイアを余儀なくされました。「石がリムに入って内側から壊れ、ブレーキパイプも損傷した。続けられる状況ではなかった」とコペツキー本人が説明した通り、チェコのレジェンドにとって痛恨の一日となりました。このアクシデントが順位表を大きく揺るがし、上位争いは一気に流動的になりました。

日曜日の最終レグでは、ブレジークがリードを守り抜く展開が続きました。午後のループに入ると、スニネンが2位を固め、一方でディフェンディングチャンピオンのミコワイ・マルチク/シモン・ゴスポダルチク組(ORLEN Team、Škoda Fabia RS Rally2)が、アンドレア・マベリーニ/バージニア・レンジ組(Lancia Corse HF、Lancia Ypsilon Rally2 HF Integrale)の猛追を受けました。最終のパワーステージでマベリーニ組がステージ優勝を飾り、1.3秒差で3位の表彰台を奪取。マルチクは4位に後退しました。この劇的な逆転が、レースにさらなるドラマを加えました。

ブレジークは13ステージ中5本を制し、完璧なホームレースを展開。「言葉が出ない。本当に素晴らしい。ステージはよく知っているし、ピンデュラのフィニッシュ近くに住んでいる。でも驚いている。ロマン・クレスタがセットアップしてくれて、自分はただ走るだけだ」と、初優勝の喜びを語りました。普段はチェコ選手権を主戦場とする30歳のドライバーにとって、ERC初優勝は大きなマイルストーンとなりました。

スニネンは「本当に誇りに思う。極めて難しいラリーだった」と振り返り、選手権リードを25ポイントに拡大しました。マベリーニは「一貫したペースを保ち、必要なところで限界までプッシュできた」と、Lancia Ypsilon Rally2 HF Integraleの進化を実感する内容でした。Lancia Corse HFにとっては、厳しいコンディションを乗り越えての表彰台獲得が、タイトル争いを継続する大きな自信となりました。一方で、ダビデ・ペサベントはSS2の接触でリタイア、トマソ・サンドリンとセバスチャン・ダッラピッコラもテクニカルトラブルで早々にレースを終えるなど、チーム全体では苦しい面もありました。ERC4ではフランチェスコ・デイ・チェチが5位と健闘しています。

日本からはTHREE FIVE MOTORSPORTのオサム・フクナガ/ミサコ・サイダ組がŠkoda Fabia RS Rally2で参戦しました。ヨーロッパのチームとタッグを組んで挑んだ難関イベントを完走し、総合46位(+21分40.5秒)でフィニッシュ。最終ステージでタイムを落として順位を下げたものの、厳しいステージを最後まで走り切っています。

5台のŠkoda Fabia RS Rally2がERC上位10位以内に入り、Škoda勢の強さを改めて示す結果となりました。次戦は9月4〜6日のRali Ceredigion(イギリス)。残り2戦でドライバー選手権、チーム選手権、ERC4、ジュニアERCのタイトルが決まる熱い戦いが続きます。

1位 アダム・ブレジーク/ズデニェク・ベラーク・ジュニア(Samohýl Škoda Team、Škoda Fabia RS Rally2)

ホームイベントで初のERC優勝。13ステージ中5本を制し、リードを守り抜きました。

コメント:「言葉が出ない。本当に素晴らしい。ステージはよく知っているし、ピンデュラのフィニッシュ近くに住んでいる。でも驚いている。ロマン・クレスタがセットアップしてくれて、自分はただ走るだけだ」

2位 テーム・スニネン/アンッティ・ハーパラ(The Racing Factory Motorsport Solutions、Škoda Fabia RS Rally2)

最終日に2位を固め、選手権リードを25ポイントに拡大。極めて難しいコンディションを乗り切りました。

コメント:「本当に誇りに思う。極めて難しいラリーだった」

3位 アンドレア・マベリーニ/バージニア・レンジ(Lancia Corse HF、Lancia Ypsilon Rally2 HF Integrale)

最終パワーステージを制して1.3秒差で表彰台を獲得。選手権2位をキープし、マルチクとの差を広げました。一貫したペースで厳しいステージを攻略しました。

4位 ミコワイ・マルチク/シモン・ゴスポダルチク(ORLEN Team、Škoda Fabia RS Rally2)

ディフェンディングチャンピオンとして堅実に走りましたが、最終ステージでマベリーニに逆転を許し4位。選手権3位を維持しています。

5位 ヤクブ・マトゥルカ/ダミアン・シティ(Škoda Fabia RS Rally2)

3週間前のホームでの表彰台に続く好走で5位。着実にポイントを積み重ねました。

6位 シモーネ・テンペスティーニ/フランチェスカ・マリア・マイオール(Team MRF Tyres、Škoda Fabia RS Rally2)

チームのERC50戦目を記念するレースで6位。予選ステージ最速など存在感を示しました。

Barum Czech Rally Zlín 2026 – Final ERC Classification

PosDriver / Co-driverNatCarTime / Diff
1Adam Březík / Zdeněk Bělák jun.CZE/CZEŠkoda Fabia RS Rally21:57:13.5
2Teemu Suninen / Antti HaapalaFIN/FINŠkoda Fabia RS Rally2+8.3 s
3Andrea Mabellini / Virginia LenziITA/ITALancia Ypsilon Rally2 HF Integrale+15.8 s
4Mikołaj Marczyk / Szymon GospodarczykPOL/POLŠkoda Fabia RS Rally2+17.1 s
5Jakub Matulka / Damian SytyPOL/POLŠkoda Fabia RS Rally2+55.9 s
6Simone Tempestini / Francesca Maria MaiorROU/ROUŠkoda Fabia RS Rally2+1:33.7

FIA ERC Drivers’ Championship Standings (after 5 of 7 rounds)

PosDriverNatCarPoints
1Teemu SuninenFINŠkoda108
2Andrea MabelliniITALancia83
3Mikołaj MarczykPOLŠkoda69
4Jakub MatulkaPOLŠkoda53
5Giandomenico BassoITAŠkoda45