アメリカ最大のステージラリー組織であるアメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)が、2027年ナショナル選手権の年間スケジュールを正式に発表しました。全8戦で構成され、シーズンは2月の雪上イベントからスタートし、初めて11月まで延びる形になります。同時に、FIA世界ラリー選手権(WRC)が1988年以来約39年ぶりにアメリカ本土に復帰する「Rally US」(8月26〜29日開催)も確定。ARAの運営側もこのWRC開催を全力でサポートする方針を示しており、2027年はアメリカのラリーシーンにとって大きな転換点となりそうです。
ARAシリーズマネージャーのプレストン・オズボーン氏は「過去最も接戦でエキサイティングなシーズンの一つを経て、ARAナショナル選手権は上昇軌道を続けています。WRCのアメリカ復帰を機に、2027年は国内ラリーの転換点になる可能性があります。ステージラリーを守り、広げ、推進するという使命に沿い、この機会を最大限に活かして選手権のレベルアップを図ります」とコメントしています。
各ARAイベントの簡単な特色

2027 ARA ナショナル選手権カレンダー
| Rd. | 日程 | イベント | 開催地 | 特色 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2月5〜6日 | Sno*Drift Rally スノードリフト・ラリー | ミシガン州アトランタ(北部) | 冬の雪と氷が特徴の伝統的オープニング戦。スタッドタイヤ禁止のミシガン州ならではの難易度が高く、タイヤ選択と車体制御が鍵となる。 |
| 2 | 3月12〜13日 | Rally in the 100 Acre Wood 100エーカーウッド | ミズーリ州セーレム&ポトシ | 森に囲まれたクラシックなアメリカ・ラリーの雰囲気が魅力。自然豊かな森林グラベルを走る。 |
| 3 | 4月17〜18日 | Olympus Rally オリンパス・ラリー | ワシントン州シェルトン | 太平洋岸北西部の変化に富んだステージ。過去にWRCラウンドを務めた歴史あるイベント。 |
| 4 | 5月14〜16日 | Oregon Trail Rally オレゴントレイル・ラリー | オレゴン/ワシントン州境 | 組織体制を再構築してナショナルに復帰。多様なステージを持ち、西部の顔となるイベント。 |
| 5 | 6月10〜12日 | Southern Ohio Forest Rally サザンオハイオ・フォレスト | オハイオ州チリコシー&ポーツマス | 密林を走るテクニカルなグラベルが特徴。森林地帯ならではのリズムと精度が求められる。 |
| 6 | 7月24〜25日 | Rally Colorado ラリー・コロラド | コロラド州レンジリー | 標高のある西部ステージ。空気の薄さと路面変化がドライバーを試すタフなイベント。 |
| 7 | 10月8〜9日 | Lake Superior Performance Rally レイクスペリオル・パフォーマンス | ミシガン州マーケット | スペリオル湖周辺の高速グラベル。近年タイトル決定戦になることが多い激戦区。 |
| 8 | 11月12〜13日 | Boone Forest Rally ★最終戦 ブーンフォレスト・ラリー | ケンタッキー州ロンドン&マッキー (アパラチア山麓) | アパラチア丘陵を舞台に初のナショナル昇格。WRC Rally USの開催地に近く、注目度が高まる最終戦。 |
2027年の主な変更点
• Oregon Trail Rallyが伝統の5月開催でナショナルに復帰。
• Ojibwe Forests Rally(ミネソタ)はスーパージョナルに降格。
• Overmountain Rally Tennesseeは2027年休止。WRC Rally USの開催に伴い、ARA関係者やボランティア、経験豊富な競技者が全力でサポートするためです。
• Boone Forest Rallyがナショナルに昇格し、アパラチアの丘陵地帯を舞台に最終戦を務めます。
地域選手権(East / Central / West)を含むフルカレンダーは今後数週間で発表される予定です。

WRC Rally USの位置づけと特色
WRCは2027年カレンダーで全15戦を発表し、その第11戦としてRally US(8月26〜29日)を盛り込みました。拠点はテネシー州ノックスビル周辺が有力視され、テネシー州とケンタッキー州にまたがる南部アパラチア山脈のグラベルステージで競われます。2026年6月に候補イベントが成功裏に行われ、FIAの承認を得て実現したものです。
1988年のOlympus Rally(ワシントン州)以来のアメリカ開催で、世界最大級の自動車市場に本格復帰する意義は大きいです。候補イベントで確認されたステージは「コンパクトで締まった砕石グラベル」が中心で、低速でテクニカルなセクションと高速区間が混在する、他のWRCイベントとは異なる個性を持っていると指摘されています。アメリカ国内のラリーコミュニティ(ARA関係者を含む)が全面的に協力する体制が整っており、国内選手権と世界選手権が連動する形になっています。
アメリカ・ラリーのこれから
2027年はWRCのアメリカ復帰とARAのスケジュール調整が連動し、国内選手権のレベル向上とファン層の拡大が期待されます。フォードの工場チーム復帰(2028年以降)やWRC27技術規定の導入も重なり、アメリカのラリーシーン全体が活気づく一年になりそうです。